商品を演出してイメージアップさせる撮影
前回までは「商品の情報を分かりやすく伝える」という目的での商品撮影でした。
そこで今回はさらにステップアップして「商品を演出してより魅力的な写真」の撮影に挑戦です。
もちろん前回と同じように実際に撮影を進めながらそのコツやテクニックを全部お見せしたいと思いますので、どうか宜しくお付き合いください。自分でハードルを上げてる感がハンパ無いですが頑張りたいと思います。
では早速、今回のモデルさんからご紹介。
前回同様スマホでそのまんま撮影したこちらの商品。ほんとまんまですね。
すっかり個人的に愛着の沸いたこちらの商品とスマホ(iphone6)を使って撮影をしていきたいと思います。
ところで冒頭に書きました「より魅力的な写真」とは、写真を見た人に「コレ欲しい!」と思ってもらえるような雰囲気を伝える演出されたイメージ写真といった感じです。
なので今回は「ハロウィンの置物」なので秋らしく、影のある、それでいて少し賑やかな写真にしたいと思います。
まず、前回のポイントをおさらいします。ポイントはたったの4点。
- 背景に気を使う
- 光を均等に当てる(または光の当たり方を考える)
- アングル(画角)に気を配る
- 加工はやり過ぎない程度にちゃんとやる
でしたよね。
今回もこの注意点を充分に意識していきます。
背景をちょっと違うものにしてみよう
まず今回の背景にはこちらを使用したいと思います。
前回は商品の情報が分かりやすいように白い塩ビシートを背景に使用したけど、今回は秋らしいシックな感じにしたいのでこの板を選びました。
この板は、ホームセンターで幅10cm長さ4mの杉板をホームセンターで切ってもらい「オイルステン」という塗料を適当に塗ったもの。
と言っても、皆さんは杉板を切って塗ったりする必要は無いと思います。
ネットやホームセンターでいい雰囲気の板やマットがたくさん売られてるので、そこから捜すのがいいんじゃないでしょうか。ちなみに選ぶポイントとしては、もちろん商品イメージに近いものを選ぶのも大切ですが、今後も色んな商品やアイテムの撮影をされるのであれば、多用途に使えるようなものを最初に選んだ方がいいかもしれませんね。
今回はこの板を並べて使います。
一本だけ長いですが、意図はないです。
切ってもらうときにシンプルに割り算を間違えて注文するという、ここに書くのも恥ずかしい計算ミスです。
あ、やっぱりあえて書きますが、この杉板4mですからね。それを4分割するのにどこをどう計算して間違えたんだ?っていうね、家に帰って家族には「歳ってこわいねえ」と言い訳しましたが、若い時からずっとこうですからね。
光の当たり方を考えよう
今回はハロウィンということもあり、ちょっと逆光気味で少し暗い雰囲気にしてハロウィンらしい世界観が出ればいいなと思っています。
1枚だけ長い板が実にマヌケですね。
光が当たり過ぎないよう窓際から少し離し、そして今回は天候がすごく晴れて眩しい光が差し込んでいるので、前回「背景に使うシート」としてご紹介した塩ビシートを窓に貼って少し光量を落として…たのですが、急に曇り始めたので慌ててシートを外しました。
今のところこれで「やんわりとした逆光」になってるはずです。
小物や装飾を加えてイッキに雰囲気アップ
そして次はいよいよ小物。
メインとなる商材に「なんとなく」合いそうな小物を集めてみます。
ハロウィンということで「秋っぽく」そして商品に木のオバケが居るので「木や植物」を用意しました。
用意した小物は、
- 拾ってきた流木にさっきのオイルステンの残りを塗ったもの
- 100円ショップで買ってきたハロウィンの布テープ
- 同じく100円ショップの造花
- 拾ってきた松ぼっくりとどんぐり
などです。費用は2~300円ってところです、造花を持ってレジに立つボクは家族にとって今回の一番の見どころだったと思います。
いよいよ撮影
これで準備は整いました、先ほど用意した背景にこれらを寄せ集めて商品をレイアウトします、そして撮影したのがハイこちら。
「光は少し逆光気味」そしてもちろん「アングルは少し下に下げて」撮影しました。
これでもけっこういい感じになったと思ってますが。
さらにiphoneのエフェクトと被写界震度(←後述します)の効果を加えるアプリを使用して最終的に仕上げてみた完成写真がコチラになります。
いかがでしょう?
ボクとしては思ってたイメージと若干ズレはありますが「ハロウィンの置物」としての雰囲気も高まって、商品写真としてはまずまず上出来だと思ってます。
小物をレイアウトするときの注意点
小物レイアウトのコツと言いますか、アドバイスとしては
- メインの商品より目立たないものを選ぶ
- メインの商品は左右どちらかに少し寄せる
- 目の導線は画像全体を「一周するイメージ」
- いくら可愛い小物でも違和感のある小物を置かない
といったところです。
特に「目の導線」は重要だと思ってます。ボクはスマホを覗きながら以下の画像のような動きを意識しました。
メインアイテムから始まり「グルッ」と大きく画面全体に大きな「の」の字を描くイメージです。
実際にそのとおり見てもらえるかは別として、そうやってなんとなく画像を楽しめるような「基準を決めた方がレイアウトしやすい」と思ってます。
小物の選び方や置き方にも配慮しよう
小物に関して陥りやすいのは「あまりかわいい小物は主役を奪う」というところ、そして「小物見せたさに詰め込みすぎて画面が狭くなる」ってところだと思います。小物はあくまで添え物なので画面から切れて何か分からない程度でちょうどいいと思います。
そういった意味では今回はエフェクトもキツく少しガチャガチャし過ぎた嫌いもありますが、逆にそれがハロウィンらしく「落ち葉の隙間からオバケが出てきそうな世界」になったようにも思います。こういった偶然の産物もあるのでとにかく色々やってみるのが一番です。
きっとみなさんも色んなアイデアで素敵な商品撮影ができると思うのでぜひチャレンジしてみてください。
今回使用したアプリ
「Camu」という、画像の被写界深度を調整できるアプリです。
「被写界深度」とはむずかしい言葉でよくわかりませんけど写真でよく使われる「ボケ」の効果を生むことのようです。入手先は以下。↓
この App は、iOS デバイス用の App Store でのみ入手可能です。
スマホの商品撮影にあると便利なアイテム
さて続いてご紹介したいのが「商品撮影に便利なアイテム」。
今回撮影したときの撮影状況はこんな感じです。
けっこう適当でしょう?
ただやはり肝心なところを抑えるべき「あると便利な小道具」というのがあって、今回はさらにそちらも紹介します。
スマホ用三脚
商品撮影ではけっこう「寄り」で撮影することが多いため、スマホの手ブレもあるのでボクはコレを使用してます。
といっても撮影が不可能なほどの手ブレではないので別に無くても全然かまわないのですが、モニターを固定して確認しながら商品や小物のレイアウトをしてるとやはり便利だなと痛感します。
今回のようにティッシュの箱の上に乗せたりするときや少し高いラックの上からの撮影など、このクネクネした足の三脚は使い勝手がいいです。
なにより安いのがいいですね、1,000円以下がほとんどなので買っておいて損は無いと思います。
スマホ用リモコン
スマホのシャッターを押してくれるリモコンです。
最初は「別に要らないか」と思ってたのですが、いざ撮影をはじめると商品や小物をレイアウトして、さらに確認してから自作のレフ板を持つて、そしてようやくシャッターを切る…なんてときは手数の需要が止まらなくなるので。三脚とこのシャッターのコンビは最強です。
ボクはゲームコントローラーにもなればいいなと思いこのモデルを買いましたが、このコントローラーに対応されたゲームアプリが驚くほど少ないため、結局スマホ撮影専用シャッターになりました。
あれから色々調べてみたら、スマホの商品撮影に特化したような「三脚とリモコンのセット」というのも販売されてます、動作などは確認してませんがかなりお得なセットのようなのでこちらもチェックする価値ありなんじゃないでしょうか。
中にはセットでなんと680円(!)とお手軽すぎるセットもあって、今ボクに後悔のハリケーンが猛烈な勢いで接近中です。
意外な伏兵「ねりけし」
写真を撮るほどのモノでもないとは思いましたが、あえて撮ってみました。ナメック星の日の丸弁当みたいな画像ですね。
さて、この練り消しをどう使うのか?と言いますと。
このようなアングルの写真で、
スマホの位置を少し下げたいけどどうしても下げることができない…なんて場合などに商品の下にこの練り消しをかませます。
こんな感じ。
スマホを下げるのではなく被写体のアングルを上げて撮影できます。
この「練り消しワザ」は、今回の「ハロウィンのアイテム」撮影でも少し商品をしっかり見せるために同じ使い方をしてます。さらにさきほどのスマホ用リモコンの画像でもリモコンをリモコンの箱に斜めに良い位置で置けるように使用しています。
スマホの撮影、とくに小物や小さいアイテム商品などには絶大な効果があるので、この練り消しは必須ですよ!
以上となりますが、いかがだったでしょうか?
スマホでもちょっとした工夫があれば、いくらでも魅力的な商品撮影が可能だと思います。
たいした参考になってないかも知れませんが、皆様にとってちょっとした撮影アイデアの足しになれば幸いです。
ではでは、また何か面白い方法やアイテムが見つかったときにこんな記事を書こうと思います。最後までお付き合いありがとうございました。