- 泡盛とは?日本酒や焼酎との違いは?
- 泡盛をさらに熟成させた「古酒(クースまたはこしゅ)」について
- 古酒の特徴はなんといっても深みのある「香り・甘味・まろみ」
- 泡盛の選び方その①「酒造所による個性を知ろう」
- 泡盛の選び方その②「飲み方で選ぼう!飲むなら古酒?それとも新酒の泡盛?」
- 泡盛の選び方その③「いろんな泡盛にチャレンジしよう」
- 気軽に試すならこちら!沖縄で代表的な泡盛の銘柄
- 10位 青りんごの香り「夢航海(ゆめこうかい)」
- 9位 ふんわりまろやかな口あたり「菊之露(きくのつゆ)」
- 8位 キリッと引き締まる辛口「瑞泉(ずいせん)おもろ」
- 7位 人気の残波を良いとこどり「残波(ざんぱ)プレミアム」
- 6位 バランスのとれたど真ん中の古酒「琉球(りゅうきゅう)プレミアム」
- 5位 華やかなキレ「海乃邦(うみのくに)」
- 4位 不動の2番バッター「龍(たつ)」
- 3位 美しく広がるオーク樽の香り「暖流(だんりゅう)」
- 2位 初めての方におすすめしたい「甕仕込(かめじこみ)」
- 1位 鋭いキレと上品な香り「久米島の久米仙(くめじまのくめせん)8年古酒」
- 他にもおすすめしたい番外の泡盛もご紹介
- まとめ:料理のおともにダイエットに糖質制限にそしてお土産や贈り物に泡盛を
泡盛とは?日本酒や焼酎との違いは?
皆様ご存知、沖縄の伝統的な蒸留酒。
最近ではダイエット時のお酒としても評価され、糖質ゼロ・プリン体ゼロそして低カロリーと、糖質制限している方からも注目を浴び、人気が急上昇中。
発酵した穀物の独特な香りを「クセが強い」と敬遠する方がいてる反面、そのクセに魅せられたファンを多く獲得し続け、最近では泡盛が苦手と言う人も少なくなってきたように思います。
そんな泡盛ですが、日本酒や焼酎との違いとしては、味はもちろん原料や製造工程に大きな特徴があります。
違いは「麹(こうじ)」と「米」の種類、そして蒸留方法
日本酒や焼酎は日本米や麦などの「穀物原料の発酵に黄麹や白麹が使われる」のですが、泡盛は一般的に「タイ米」と呼ばれる、あの細長い「インディカ種のお米」を原料として使用し、さらに「黒麹」でアルコール発酵させます。
そして通常は2工程に分ける仕込みの工程を1工程にした「全麹仕込み」や「単式蒸留器」を使用した蒸留法を用いることで泡盛独特の風味が生まれます。
よく言われる泡盛のクセとは、やはりこの元来の香りに特徴があるインディカ米、そしてそれを発酵たあの穀物っぽい風味を指すのだと思います。
沖縄では「シマー」という愛称で親しまれています
また全体的にアルコール度数が高いものが多く、ストレートから水割りやカクテルまで幅広く楽しめるのも大きな特徴。沖縄ではほぼもれなく「島酒(しまざけ)」という意味から「シマー」という愛称で親しまれています。
泡盛をさらに熟成させた「古酒(クースまたはこしゅ)」について
泡盛といえば古酒。
ワインやブランデーのように熟成(寝かす)された泡盛があり、それらは「古酒(クースまたはこしゅ)」と呼ばれます。
寝かせた年月に比例して香りが甘く芳醇に、そして味わいにもまろやかな深み・コクが生まれます。
古酒と呼ばれるものには基準が設けられてます。
- 規定として3年以上寝かせた泡盛が100%のものを「古酒」
- 熟成させていないものは「新酒」
- 3年以上寝かせた泡盛が10%以上含まれていると「混和酒」「ブレンド酒」
と呼ばれ、古酒の場合「5年古酒」や、ブレンド酒の場合「3年古酒10%ブレンド」などとラベルや箱に表記することが義務付けられています。
古酒の特徴はなんといっても深みのある「香り・甘味・まろみ」
日本酒や焼酎も銘柄によって味わいが違うように、泡盛もまた銘柄や酒造所によって個性があります。
古酒は、そんな個性たっぷりな泡盛を熟成し、その年数によって香りや味わいがさらにギュッと凝縮され濃厚になった泡盛だと思ってください。
香りや味わいが濃厚なので、銘柄によっては「きつい」「くさい」と言う人がいてもぜんぜん不思議じゃありません、むしろそういう古酒ほど根強いファンが多いくらいです。
そういった意味では、チーズやワインそれにとんこつラーメンなんかの世界に似てるなあって思うんですが、だとしたら泡盛って1つの県だけの文化なのに長い歴史もあって奥が深い素晴らしいお酒だと思うんですよね。
それでは次に、そんな泡盛の「選び方」について。
泡盛の選び方その①「酒造所による個性を知ろう」
沖縄県内には本島に30社以上、離島も含めると50社以上になる泡盛の酒造会社があります。
酒造所それぞれにこだわりがあり、分かりやすいところで言うと「古酒を寝かせる樽」にも違いがあります。
酒造所によって土の甕(かめ)だったりステンレスだったり、はたまたウイスキーのようにオークなどの木樽を使ったりします。
そのこだわりだけで、酒造所によって風味や味わいが全然違うのもうなずけますね。
中には見学できる酒造所(※ただし要予約が多い)もあるので、泡盛に興味ある方にとっては沖縄旅行の楽しみの1つになるんじゃないかな?と思ってます。
泡盛の選び方その②「飲み方で選ぼう!飲むなら古酒?それとも新酒の泡盛?」
先述したようにひと口に泡盛といっても、
- 銘柄
- 酒造所
- 度数(同じ銘柄でも度数によって分けられてるのが多い)
- 古酒の熟成年月
…と選択肢は非常に多いため、飲み方で選べるのもまた泡盛の奥深さなんじゃないでしょうか。
気軽に飲むなら新酒の泡盛
ビールやチューハイのように食事とともにカジュアルに飲むなら古酒よりも新酒の泡盛。
クセが少ないのでロックや水割りをグイグイいくのもいいですが、たっぷりのクラッシュアイスを入れたグラスに泡盛を1/3くらい、それにシークヮーサーを絞って無糖ソーダなど糖質オフの炭酸で割る「泡盛ハイボール」がボク一番のおすすめ。
ボクはいつも食事の晩酌にはこの泡盛ハイボールを飲んでます。
和食・洋食問わずどんな食事にも合い、ビールやウイスキーのハイボールとはまた違った泡盛特有のスッキリほんのり甘くビターな味わいを存分に楽しめます。
泡盛の深みをじっくり味わうなら断然「古酒」
泡盛ならではの奥深さをストレートまたはロックでじっくりと味わいたい方はやはり古酒。
5年以上…できれば10年あたりの熟成古酒をじっくりと時間をかけて舐めるように楽しんで欲しいです。
おすすめは最初にストレートでひと口。
そのあと大きな氷に注いだロックで、まずは香りを楽しんでから溶けていく氷で少しづつ変わっていく味わいを楽しんでほしいですね…ああ、思い出したらまだお昼なのに飲みたくなってきましたね。
泡盛の選び方その③「いろんな泡盛にチャレンジしよう」
結局コレがボクの一番おすすめになっちゃいます。
CDやマンガの「ジャケ買い」と同じで、種類が豊富な泡盛はユニークな名前やラベルそしてパッケージが多いので、気になった泡盛は片っ端から試すのがすごく楽しいです。
ただこの選び方は時間とともに「あれ…?コレ前に飲んだっけ?…まあいいか」と、かなり雑になってしまいます。
でも泡盛をある程度飲んでみて、その美味しさが確認できたら手当たり次第にチャレンジするのはとても楽しいと思います。ちなみにボクがそうでした。
さてそれでは、いよいよ実際の泡盛をご紹介したいと思います。
ではまず、沖縄でよく飲まれている代表的な泡盛の銘柄を一部ご紹介します。
気軽に試すならこちら!沖縄で代表的な泡盛の銘柄
おすすめランキングの前に少しだけ、沖縄でも人気があってポピュラーなお手軽に飲める銘柄をざっくり簡単にご紹介します。
どの銘柄も沖縄のTVやラジオでCMが流れ、居酒屋さんなどの飲み屋さんにもれなく置いてある人気の泡盛ばかりでモチロンすべて糖質ゼロ。
それぞれの銘柄に熱烈なファンも多く、今回のようなランク付けで好きな銘柄のランキングが低かったり含まれてなかったりすると「けしからん!」と憤慨されるウチナンチュ(沖縄の人)も多いはず。
沖縄の方にとってはすっかりなじみのあるラベル、このラベルを見るだけでホロ酔い気分です。
左から
- 美しき古里(うつくしきふるさと)/今帰仁酒造
- 忠幸(ちゅうこう)/忠幸酒造
- 残波(ざんぱ)ホワイト/比嘉酒造
- 残波(ざんぱ)ブラック/比嘉酒造
- 瑞泉(ずいせん)/瑞泉酒造
- 多良川(たらがわ)/多良川
- 菊之露(きくのつゆ)/菊乃露酒造
- 久米島の久米仙(くめじまのくめせん)/久米島の久米仙
ほかにも全然まだまだ人気の銘柄がたくさんあるのですが、とりあえずこんな感じ。
瑞泉だけが混和酒(30%)で、それ以外はすべて新酒。
どの銘柄も720ml(4合)で1000円前後とめっちゃリーズナブルなので、気軽に泡盛を試すならこのあたりから飲んでみるのもおすすめ。
沖縄に行くことがあったらおそらく必ず目にするであろう銘柄なうえに、これからご紹介するおすすめの泡盛を製造してる酒造会社も含まれてますので、ぜひ軽く覚えておいてくださいね。
どれも新酒だけどすでに個性たっぷり
この中でも沖縄で有名なのはなんといっても残波かな?
「ざんしろ」「ざんくろ」の愛称で親しまれ、ファンもかなり多い印象です。
ボクが個人的に飲みやすいなと思うのも、やはりこのクセのない「残波(黒) 」そしてフルーティなツンとした香りの「忠幸 」です。
もう少しパンチが欲しいときはブレンド酒のせいかまろやかなコクがある「瑞泉 」を選んでます。
菊の露はかなり個性的で、穀物っぽい甘い香りからよく「キャラメル」「薩摩芋・焼き芋」みたいな風味なんて言われますが、たまに飲むとこのほっこりとした香りがたまりませんね。
ちなみに「居酒屋に置いてある」と先述しましたが、このラインナップをウチナンチュが見たら「あれ?うちの地域の居酒屋ではあんまり見かけないのがあるな…?」っていうのも混ざってるかもしれませんね。
そういう地域性もまた泡盛の大きな魅力だとボクは思ってます。
お待たせしました、いよいよ「おすすめの泡盛」をランキング形式でご紹介していきます。
ランキングの基準は当然「美味しさ」とかではありません。「初めて泡盛を飲むなら、せっかくなのでぜひこのあたりから飲んでほしい」という基準です。
また他にも
・容量は贈り物やお試しに丁度いい少な目の720ml(4合)に統一
・紙パックは選択肢から外し泡盛の魅力を損なわない瓶だけに
・価格もリーズナブルにできるだけ3000円くらいまで
という基準も含めてます。
それではいってみましょう。
10位 青りんごの香り「夢航海(ゆめこうかい)」
まず最初は、先ほど新酒で紹介した忠孝酒造さんから販売されている「夢航海」
忠孝酒造さんは「忠孝」をはじめ、飲み口がすごくスッキリした泡盛の多い印象です。
商品名 | 夢航海(ゆめこうかい) |
酒造会社 | 忠孝酒造株式会社 |
容量 | 720ml |
価格 | ネットで1500~2000円前後 |
度数 | 30度 |
備考 | 那覇空港から車で10分位の見学に最適な酒造所の泡盛 |
まず10位は新酒から。
いきなりレーダーチャートの数値が飛び出しちゃってすみません、しかしこの夢航海はそれくらい「飲みやすい」です。
「青りんごの香り」と謳われてはいますが、青りんごのリキュールみたいなのを想像しちゃうと下回るかなと思います。
というのも泡盛、特に新酒の泡盛の中にはこの夢航海のように青りんごっぽいツンと香るものがけっこうあり、その中でもこの夢航海はそこを強調した泡盛なので青りんご…というよりはやはりそこは泡盛。
とはいえ、このクセのないスッキリした飲み口はおそらく今回ダントツで初めての方にも超おすすめ。
ただサッパリし過ぎて「泡盛ってこういうのなんだ」と思われるのもいかがかな?と思って10位に設定しました。
クラシックな舶来品のようなボトルも素敵ですね。
炭酸で割って気軽に飲みたい方、特に女性におすすめしたい泡盛です。
9位 ふんわりまろやかな口あたり「菊之露(きくのつゆ)」
沖縄では深夜のTVCMなどですっかりおなじみ「菊之露」
もっぱら先ほど紹介した新酒の菊之露ブラウンがよく飲まれてますが、こちらはちょっとリッチになった古酒です。
商品名 | 菊之露(きくのつゆ) |
酒造会社 | 菊之露酒造株式会社 |
容量 | 720ml |
価格 | ネットで3000円前後 |
度数 | 38度 |
備考 | 宮古島の酒造会社菊之露酒造の7年古酒 |
ほっこりとした香りが特徴的な一般酒の菊之露に比べ、こちらの古酒はそのクセをふんわりと上品なチョコレートのような香りへと大きくグレードアップさせた印象。
その香りが38°という絶妙なアルコール度数と重なり、味わい深い古酒の仕上がりとなってます。
菊之露には他に度数が41°の5年古酒もありますが、菊之露らしい膨らみのある香りを楽しむなら、まろやかなこちらの7年古酒の方がいいかな?と思います。
沖縄らしい鮮やかなラベルもイイですね。
コク深い甘さの香る古酒を味わってみたい方におすすめ。
8位 キリッと引き締まる辛口「瑞泉(ずいせん)おもろ」
こちらもまた有名な酒造所、
首里城そばにあるツタに囲まれた風情たっぷりな瑞泉酒造さんの10年古酒。
商品名 | 瑞泉(ずいせん)おもろ |
酒造会社 | 瑞泉酒造株式会社 |
容量 | 720ml |
価格 | ネットで3500円前後 |
度数 | 43度 |
備考 | 瑞泉酒造の看板商品「瑞泉」の10年古酒 |
10年寝かされたアルコールの突き抜けるような刺激に混ざった香ばしい穀物のような香り、ボクはカラメルコーティングされたアーモンドを連想します。
穀類やチョコのような甘さやフルーティさ、熟成されたアルコールのツンとした香りや苦み、そしてまろやかな舌触りにスッキリしたのど越し…etc.
この「瑞泉おもろ」にはそういった古酒ならではの味わいのあとにピーンと張りつめた辛さが通り抜けます。
高級感のあるパッケージに刻まれた「10」の文字がカッコいいですね。
酒は飲み応えある辛口に限るなんて方におすすめしたい一品。
7位 人気の残波を良いとこどり「残波(ざんぱ)プレミアム」
続いては、さきほど新酒で紹介した沖縄でもトップクラスの知名度を誇る「残波」の5年古酒。
商品名 | 残波(ざんぱ)プレミアム |
酒造会社 | 有限会社比嘉酒造 |
容量 | 720ml |
価格 | ネットで3000円前後 |
度数 | 35度 |
備考 | 人気・知名度の高い銘柄の5年古酒 |
こちらもまた「飲みやすい古酒」としておすすめしたい一品。
フルーティで柔らかな「残波ホワイト(ざんしろ)」そしてパンチがあって飲みやすい「残波ブラック(ざんくろ)」の良いところをしっかり抑え、さらに芳醇な古酒の味わいがほどよく足された万人受けしそうなやさしい泡盛…という印象。
特にフルーティさで言うと、他の泡盛のような青りんごや柑橘っぽい香りとは違い、ブドウや梨といったふんわり華やかで柔らかい香りの果実を思わせるのがこの残波の特徴だとボクは思います。
どれにしようか迷ったとき、
何本か買うときにはぜひ押さえて頂きたい、そんな一本です。
6位 バランスのとれたど真ん中の古酒「琉球(りゅうきゅう)プレミアム」
続いて6位は沖縄最古の蔵元、新里酒造さんの琉球プレミアム。
商品名 | 琉球(りゅうきゅう)プレミアム |
酒造会社 | 新里酒造株式会社 |
容量 | 720ml |
価格 | ネットで2500円前後 |
度数 | 35度 |
備考 | 沖縄最古の蔵元が贈る5年古酒 |
キレもあってコクがある
よく言われる表現だけど、ボクはこの琉球プレミアムはその言葉にふさわしい古酒だなって思います。
甘さと苦み、穀物の香りと果実の香り、最後にまろみとのど越しのキレ。
そのどれもがバランスよく織り交ざり、古酒らしさ溢れる仕上がりになっているように感じます。
沖縄らしいパンチの効いたエキゾチックなパッケージ、そして「琉球」という名前もお土産なんかにはピッタリですよね。
これぞ古酒というのを求めてる方におすすめしたいです。
5位 華やかなキレ「海乃邦(うみのくに)」
続いては、独特のボトルデザインが印象的な「海乃邦」をご紹介。
商品名 | 海乃邦(うみのくに) |
製造元 | 沖縄県酒造協同組合 |
容量 | 720ml |
価格 | ネットで5000円前後 |
度数 | 43度 |
備考 | 味・デザイン部門での受賞歴が多い10年古酒 |
沖縄の泡盛ショップにはまれに「泡盛マイスター」という方がいらっしゃいます。
そのマイスターの方に、ボクの好みの泡盛を伝え(好きな銘柄を言うのが一番伝わりやすいです)たところ…
「じゃあ…これなんかいいんじゃないですか?」と、薦めて頂いたのがこの「海乃邦」。
試飲させてもらうと…
華のような上品で膨らみのある華やかな香り、キリっと締まるのど越し、バチンと響く強いアルコール…思わず「あ!コレめっちゃいいですね」と即決してしまいました。
順位的には誰でも気軽にお求めやすくないお値段なので、5位とさせて頂きました。
独創的なボトルといい、こちらはお土産や集まりの差し入れなんかにチョイスして欲しいですね。
4位 不動の2番バッター「龍(たつ)」
沖縄の北部の中でも南側にある「金武町(きんちょう)」にある金武酒造の看板銘柄、その名も「龍(たつ)」
商品名 | 龍(たつ) |
製造元 | 有限会社金武酒造所 |
容量 | 720ml |
価格 | ネットで1500円前後 |
度数 | 25度 |
備考 | 地元人気の高い銘柄の5年古酒 |
この「龍」雑誌やネットであまり取り上げられている印象の無い泡盛だと思います。
しかし沖縄で地元の方と飲むと「好きな泡盛」の話題になることもあり、あれやこれやと色んな銘柄が出る中
「龍もいいねえ」
「ああ!龍美味しいよねえ」
と、同意される人がけっこう多いんです。
あとに残るようなクセこそ少ないですが、程よいコク・程よいキレ・程よい甘味…、とにかく呑みやすい。
ボクがよく行く店の泡盛マイスターも
「個人的にはこの呑みやすい龍はけっこう好きなんですよね」なんて言うくらい。
さらにそんな呑みやすい銘柄の古酒がすごくリーズナブルだともうお奨めしないわけにはいきませんよね。
気軽に呑める古酒としてぜひチャレンジしてほしいです。
3位 美しく広がるオーク樽の香り「暖流(だんりゅう)」
いよいよベスト3ですね。
まず1つめは神村酒造さんの看板商品「暖流」です。
商品名 | 暖流(だんりゅう) |
製造元 | 有限会社神村酒造所 |
容量 | 720ml |
価格 | ネットで3000円前後 |
度数 | 40度 |
備考 | 優秀味覚賞二つ星を受賞している3年古酒 |
特徴はなんといってもオーク樽で熟成されたウイスキーのようなスモーキーな香り。
樽で寝かせた泡盛はけっこうあるのですが、ボクはこの暖流の花のような柔らかさと泡盛の深くツンとした麹の香りとのバランスが一番好きですね。
ストレートやロックでじっくり呑んでも古酒の深い味わいが楽しめて、ハイボールにすると一層オーク樽の香りが際立ちスッキリとゴクゴクいけちゃいます。ハイボールの時はシークワーサーより軽く絞ったレモンの苦みがよく合います。
この生のままでも炭酸でも…とオールマイティな感じはやはり3年という浅めの熟成期間にあるんじゃないかな?
色んな泡盛を試すならこれを外さないで欲しいですね、初めての泡盛というより3~4の銘柄を呑んだあとに試してほしい一品。
2位 初めての方におすすめしたい「甕仕込(かめじこみ)」
2位は泡盛未体験の人にボクが一番最初におすすめするのがこれ、石川酒造さんの「玉友(ぎょくゆう)」という銘柄を甕で熟成させた甕仕込。
商品名 | 甕仕込(かめじこみ) |
製造元 | 株式会社石川酒造 |
容量 | 720ml |
価格 | ネットで2500円前後 |
度数 | 30度 |
備考 | 2019全国酒類コンクール特賞の5年古酒 |
今までおすすめした中で周囲の評価が最も高かったのがこの甕仕込。
泡盛らしい穀物のクセを少し残しつつ香りは全体的に抑えめ、そしてスッキリとしたキレと甘味があってのど越しがいい。
なのでまずこの甕仕込を呑むことで、後で飲む色んな泡盛の個性が分かりやすくなるんじゃないかな?と…ボクは思ってます。
コスパ的にも普段呑みにピッタリ。
この甕仕込には25度・30度・43度とあります、おすすめは43度なんだけど最初はかどのとれたまろみを感じれる30度がちょうどいいんじゃないかな?と思います。
1位 鋭いキレと上品な香り「久米島の久米仙(くめじまのくめせん)8年古酒」
そして1位はこれ、久米島の久米仙8年古酒。
周囲の感想や評判もさることながら、完全にボクの主観で決めました。
みなさん重々ご理解してくれていると思いますが、結局は「自分との相性」が全てですよね。
商品名 | 久米島の久米仙(くめじまのくめせん) |
製造元 | 株式会社久米島の久米仙 |
容量 | 720ml |
価格 | ネットで3500~4000円前後 |
度数 | 43度 |
備考 | 久米島の酒造会社による8年古酒 |
コクやクセそして甘味など全体のバランスが良く、43度でありながら鼻を突かないアルコールの優しさもボク好み。
そして何より口に含んだときに弾けるピーンと張りつめたキレのある清涼な香りが完全にハートを掴んでます。
普段は新酒やパックの泡盛なんですが、たまに奮発してこういうのを買ってキンキンに冷やしてストレートで呑む。
口の中でゆっくりと常温になる…その直前にグイっと喉を通す瞬間がたまりません。
初めて泡盛にチャレンジする方、そして泡盛をある程度飲んだ方にも一度は試してみてほしいそんな一本です。
ちなみに沖縄には久米仙酒造さんによる「久米仙」そして今回ご紹介した久米島の久米仙さんによる「久米島の久米仙」という銘柄があるのですが、両者はまったく別の会社で造られている別物。
今回はご紹介に至れませんでしたが久米仙酒造さんの商品もすっごく美味しくて、ロングヒットのグリーンボトルはもちろん人気抜群久米仙BLACKのボディブローもぜひ皆さんに体験してほしいくらいです。
他にもおすすめしたい番外の泡盛もご紹介
今回ランキングに入らなかった泡盛の中でも、チェックしてほしい銘柄を少し選んでみました。
人気・知名度や味わいなど、今回のランキングに入ってても全然おかしくないような泡盛ばかりなのでぜひ今後の参考にしてください。
コクのあるウィスキーのような泡盛「千年の響(せんねんのひびき)」
先ほど新酒でご紹介した「美しき古里」を醸造・販売されている今帰仁酒造さんの樽で熟成させた10年古酒「千年の響」
商品名 | 千年の響(せんねんのひびき) |
製造元 | 有限会社今帰仁酒造 |
容量 | 720ml |
価格 | ネットで4000円前後 |
度数 | 43度 |
備考 | モンドセレクション 最高金賞受賞など受賞歴多数 |
スモーキーなウィスキーの香りを携えつつ、しっかりと泡盛の穀物ならではのまろみと香りも主張している両方の良さを十二分に発揮した深い味わいをじっくり楽しめる逸品。
永く封印されてきたような重みを感じる独特のボトルも含めて、お土産や贈答にも最適ですね。
実際、この「千年の響」そしてヘリオス酒造さんの「くら」は那覇空港やおみやげ物屋さんでよく奨められるイメージがあります…個人の感想として。
ただ両方ボクも大好きだし、奨められるだけあって人気もあって美味しいことには間違いないので、興味のある方はチェックして損はないかと思います。
鋭い鮮烈なフルーティな香り「よっかこうじ」
これまた先ほど紹介した「夢航海(ゆめこうかい)」の醸造所・忠孝酒造さんの新酒「よっかこうじ」
商品名 | よっかこうじ |
製造元 | 忠孝酒造株式会社 |
容量 | 720ml |
価格 | ネットで1500円前後 |
度数 | 43度 |
備考 | 米のとぎ汁(シー汁)に漬け込む独特の製法 |
瓶の蓋を開けたときに香るまるでワインなどの果実酒のような香り、さらに口に含んだ瞬間に広がる鮮烈なマスカットやリンゴのような香りの強さはまさに唯一無二。
新酒で43度なのでストレートだとアルコールが激しく鼻を突きます。
なので軽く氷を溶かし甘味を引き立てたロックで呑むのをおすすめしたいです。
ボクはこの和モダンなボトルが好き。
まとめ:料理のおともにダイエットに糖質制限にそしてお土産や贈り物に泡盛を
いかがだったでしょうか?
最後に泡盛のいいところをもうひとまとめさせていただきます。
幅が広く奥も深い泡盛の「味」の世界
1つの銘柄だけでも色んなタイプやグレードがあり、個性たっぷりな各地の銘柄の味を存分に楽しむことができます。
最近定着した「沼」という言葉ですが、この泡盛も奥が深いため「沼」にハマってワイン同様に自宅に泡盛用の貯蔵庫を作られたりしてる人もいてるくらいです。
リーズナブルな泡盛からプレミアム志向の古酒までの幅広い「価格帯」
贈り物やお土産に使われがちな720ml(4合瓶)で、最安1000円前後から買えるのも泡盛の大きな魅力。
さらに、最も手の出しやすい2000~5000円あたりの価格帯のラインナップが非常に充実してるので、自分用にも贈り物用にも最適ですね。
泡盛は完全な糖質ゼロ・プリン体ゼロそして低カロリー
泡盛は完全な「糖質ゼロ」「プリン体ゼロ」さらに「低カロリー」と、糖質制限やダイエットなど健康志向の方にもピッタリなお酒。
日頃飲んでるビールを泡盛にするだけでかなり違いがでますよ。
個人的な話ですが、無理ない程度に糖質を制限してそのうえ晩酌を泡盛にしただけで1~2ヶ月後くらいからみるみる体脂肪と内脂肪が減りました。
これで他のお酒に負けず劣らず「美味しい」のだから、ボクがおすすめしたくなるのもお分かりいただけたかと思います。
まだまだご紹介したい泡盛はたくさんあるので、ぜひ2回目もやってみたいですね。
今回は「今後、泡盛を色々と飲んでみようかな?」という人や「沖縄のおみやげにしようかと思うけど、どんなのがいいかな?」というような方に向けて
「まずはこれあたりから飲んでみて、色々試してみては?」という指標と言うか基準になりやすいものを選んだつもりです。
長い記事となってしまいましたが、最後まで読んで頂けた方には厚くお礼申し上げます。
この記事が少しでも泡盛に興味を持ってもらえるものになれば、とても嬉しいです。それではまた。